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13.アンテナチューナー(カップラー)の自作(例-1)

13.アンテナチューナー(antenna coupler)の自作-1
   low cost & Omnipotent type Antenna tuner homebrew
                     パソコン関係は こちら   総目次は こちら
......................カテゴリ「アンテナと整合」の8~12までのページ
...........8.同軸ケーブルの長さを調整するとSWRがさがる
...........9.非同調フィーダーと同調フィーダー
........10.アンテナチューナー(アンテナ カプラー:空中線整合器)
........11.続:アンテナチューナー(オートチューナー)
........12.アンテナチューナー(カップラー)のコイルとバリコン

このページは前項「12.アンテナチューナー(カップラー)のコイル自作とバリコン」の続きです。
前項で作成したコイル1個とバリコン1個を使用して万能型でローコストのアンテナチューナを組立てます(前項はこちら)
下図の緑の線でコイルの値(インダクタンス)を自由に変化させます。バリコンCと端子a,端子cの接続を選択することでL型整合回路となり,インピーダンスの低い負荷にも高い負荷にもチューニング(整合)することができます(オートアンテナチューナーと同じ整合方式です)。(図はクリックで拡大します)
    low cost & Omnipotent type Antenna tuner circuit. ( Omnipotent type Antenna Coupler )
     ローコスト万能型整合器


バリコンCとコイルの端子の接続を更に自由に選ぶと次の図右のようにT型整合回路になります。T型整合回路はフイルターとしても機能するため,高調波対策にもなります。(図はクリックで拡大します)
安価で整合範囲が広いカップラー

回路と実際の配線をわかり易くするため,回路図と同じ配置で組み立ててみました(下の写真)。試作機なので木板を利用しましたが,実際に使用する場合は金属ケースに入れて不要輻射を防ぐ対策をしましょう(数W程度の場合はこのままでもOK)。IN側の同軸コネクターは省略しました。コイルの作り方とバリコンの価格情報はこちら)
バリコンの可動側端子とIN,OUT同軸ケーブルの網線は太い銅線で接続されています。バリコンの固定側は黒色線でOUT側端子と接続されています(上図左のbへ接続している状態)。(写真はクリックで拡大します)
              low cost & Omnipotent type Antenna tuner ( Antenna Coupler )
     試作カップラーA_IMG_1571

バリコンの固定側端子からの黒色線をIN側の端子へ接続するとインピーダンスの低い負荷(アンテナ)と整合させることができます。コイルのインダクタンス(L)はIN側端子から上に伸びている黒色線でコイルを短絡させて変化させます(上の写真は,上図右の“b-Aを接続”の状態)。

チューニング(整合)は,IN側の同軸ケーブルへSWR計を接続して,反射波が最小になるようにバリコンとコイル(L)を調整します。やみくもにバリコンを回転させも調整がとれるとは限りません。少しコツが必要です。慣れるまでは練習してみると良いでしょう。

次の写真は同じように見えますが,バリコンの端子をコイルの出力端子でなく,コイルの中間端子へ接続した状態です。この状態を回路図へ戻すと,上の回路図の「d-Aを接続」の状態です(T型LCL整合回路)。(写真はクリックで拡大します)
     試作カップラーB_IMG_1572

上の写真の端子の接続状態を回路図にすると次の図のようになります。(図はクリックで拡大します)
     T型整合器LCL
下の写真は,圧着端子による締め付け接続の状態です。コイルのタップ端子の角度を少しずつ変えているのは,締め付けネジが他の端子に接触しないようにするためです。締め付けはドライバーとナット廻しで行います。(写真はクリックで拡大します)
     試作カップラーコイル端子2

タップ端子の数は多いほどきめ細かく整合できますが,実験の場合は3㎝程度の線の両端にワニグチクリップを付けて,圧着端子とコイルを接続する方法が簡便です。ワニグチクリップでコイルの最適ポイントを調べてから,そのポイントへ圧着端子タップを半田付けする方法もあります。
     ワニ口クリップ


写真のコイルでは巻き数が少ないため低い周波数でのチューニング幅がとれません。7MHz帯で短いアンテナ(インピーダンスが低い)へチューニングさせる場合は,コイルの巻き数を増やします。コイルのIN側へ密巻したコイルを直列に継ぎたしてインダクタンス(L)を大きくします。(オートチューナーと同じです)。

密巻コイルは線間の絶縁が必要ですから,エナメル線を使用します。エナメル線の種類には「ホルマール線(PVF)」,「ポリウレタン線(UEW)」,「ポリエステル線(PEW)」があります。下の写真は1.6mmφエナメル線(UEW)のコイルです。今回は使用していません。
     追加コイルIMG_1608

また,低い周波数において低いインピーダンスの負荷へ整合させる場合はバリコンに高周波電力コンデンサーを並列接続して容量を増加させます。

説明が後になりましたが,アンテナチューナーの動作確認は次の構成で行います。下図のSWR計は反射波が最小となる状態を知るためなので,ブリッジでもOKです。動作確認は疑似負荷を50Ω,75Ω,100Ω,150Ω…と変化させて,逆に35Ω,25Ωと減少させて実施します。それぞれの疑似負荷のポイントで,アンテナチューナーのコイル端子とバリコンを変化させてSWR計の値が1.1以下となるように調整ができるかを確認します。
     アンテナチューナーのテスト構成

以上の,コイル1個とバリコン1個によるアンテナチューナー(カップラー)でもコイルの端子を細かく選択すると完全に整合させることができます。言い換えると,コイル端子を小刻みに選定する必要があるので調整(整合)に時間がかかります(オートチューナは小刻みの選定をリレー接点で実施しています)。

オートチューナで完全な調整を目指すと多数のリレーが必要となるためSWR1.5程度に調整できればOKとする設計のものが多いですが,マニュアルチューナはSWR1.1以下まで整合させることができます。

次回は,少しコストが増えますが,コイル1個とバリコン2個のアンテナチューナーです。次へ続く。

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はしごフィーダー用アンテナチューナー(カップラー)は ⇒  こちら

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  1. 2012/07/16(月) 12:30:03|
  2. アンテナと整合
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  4. | コメント:2
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コメント

たいへん参考になりました

たいへんわかりやすい丁寧な説明に感服しました。
フィルター、カプラーの原理に深い見識をお持ちのOMですね。
  1. 2017/06/26(月) 09:14:25 |
  2. URL |
  3. JA1HYE #XMatgrFs
  4. [ 編集 ]

Re: たいへん参考になりました

HYEさん

コメントありがとうございます。
真空管時代には受信機も送信機も部品を集めて作るのが普通でしたが、
最近は箱と箱をつなげて電波を出す人が多くなりました。
それらの方々へ「ANTやチューナだけでも自分で作ってみると楽しいですよ」とあれこれ書いています。

若い人にアマチュア無線の興味をもってもらいたく,できるだけ数式を使わないようにしていますが,
最近は,やむを得ず少し数式で説明することもあります。
トップページ http://take103.blog.fc2.com/ の中の項目番号「B1からB38」がアマ無線アンテナ関係のページです。
暇がありましたらのぞいてみてください。

Ps.私は「1アマ無線工学試験問題の解き方のコツ」も書いています。
   総目次ページ http://take103.blog.fc2.com/ の4~5行目の「こちら」をクリックで開きます。
   私のページでペーパーライセンス的な1アマが増えているのではと気になっています。

ありがとうございました。管理人より
  1. 2017/06/26(月) 22:55:50 |
  2. URL |
  3. 管理人 #-
  4. [ 編集 ]

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