皆空の中で...

9.同調フィーダーと非同調フィーダー

9.非同調フィーダーと同調フィーダー           総目次へもどるは ⇒ こちら
......................カテゴリ「アンテナと整合」の1~8までのページ
        ...........1.アンテナと共振周波数
        ...........2.アンテナとインピーダンス
        ...........3.アンテナとフィーダ(給電線)
        ...........4.フィーダー上の高周波電力(進行波と反射波)
        ...........5.定在波(SWR)とアンテナ電力(試算)
        ...........6.SWRの測定と問題点
        ...........7.SWR計と注意点
        ...........8.同軸ケーブルの長さを調整するとSWRがさがる

これまでのページでは意識的に非同調フィーダー,同調フィーダーの表現をさけてきましてきましたが,この辺で整理をしておきたいと思います。

「非同調フィーダー」「同調フィーダー」の区分は,平衡フィーダーや同軸ケーブルなど物理的な形状によるものでなく,その使い方によって分類される呼び方です。

非同調フィーダーとは,アンテナ給電点のインピーダンスとフィーダーの特性インピーダンスをマッチング(整合)させ,フィーダー上に反射波が生じないように,即ち,フィーダー上は進行波のみにするフィーダーの使い方です。反射波がゼロ,即ち,SWR=1 の状態で使用すれば,フィーダー上のインピーダンスは全て一定なので,フィーダーの長さは任意長で使用できます。

同軸ケーブルは基本的に非同調フィーダーとしての使い方をします。VHFテレビ時代の「リボンフィーダー(300Ω)」やUHF用の「めがねフィーダー(200Ω)」は,「はしごフィーダー」と同じ平衡フィーダですが,VHF・UHFテレビアンテナ出力がそれらのインピーダンスに合わせて作られていたため,それらのフィーダーは非同調フィーダーとして使用されていました。

同調フィーダーは,フィーダー上に定在波が生ずる場合に,1/4波長の整数倍の長さで使用する使い方です。3章3.8図で説明しましたが1/2波長の整数倍の長さで使用すると,アンテナのインピーダンスがフィーダーの反対側に表れます。   3章3.8図は ⇒ こちら

1/4波長の整数倍の点はインピーダンス成分にリアクタンス分が無くなるため,送信機とフィーダーの整合が比較的容易になります。
特に,1/2波長の整数倍の点はアンテナのインピーダンスと同じ状態となるため,はしごフィーダー等では主なる運用周波数の1/2波長の長さで使用しました。
下図は,7MHz用水平20m中央給電ダイポールアンテナに20m長の「はしごフィーダー」を同調フィーダーとして接続した場合のフィーダー上の電流分布です。
        同調フィーダー上の分布
上図の青色は7MHzの場合の電流分布図です。フィーダー下端は電流最大点となり,インピーダンスはアンテナ給電点のインピーダンスと同じ値となります。橙色は14MHzの電流分布です。フィーダー下端は電流最小点(電圧最大点)となり,インピーダンスは非常に高い状態となります。

同調フィーダーとして使用できるフィーダー(はしごフィーダーなど)を用いることで,1つのアンテナを複数の周波数用のアンテナとして使用できます。
同軸ケーブルを同調フィーダーとして用いるとどのようになるか?ですが,同軸ケーブルはSWRが高くなると損失が急増すること,定在波の電圧が高くなった点で同軸ケーブルの絶縁破壊がおきる虞があるので同調フィーダーとして使用しません。
具体的には,上図のアンテナを14MHzで使用した場合,アンテナ給電点のインピーダンスは5kΩほどになります。600Ω「はしごフィーダー」を用いた場合はSWR=8.3ですが,はしごフィーダーの損失は非常に小さいので送信機出力電力の大部分がアンテナへ送り込まれ,電波となって輻射されます。
     5章5.3図のはしごフィーダーでSWR=8の時の電力の伝わり方は ⇒ こちら

上図のフィーダーとして50Ωの同軸ケーブルを用い,14MHzで使用するとSWR=100 となり,電力はアンテナへ全く送り込まれず100%反射され,同軸ケーブルの中で熱となってしまいます。

同軸ケーブルを同調フィーダーとして使用することはほとんどありませんが,1波長ループアンテナ(インピーダンス110Ω)を同軸ケーブル(50Ω)で給電する時に,アンテナ給電点と50Ω同軸ケーブルの間に1/4波長の75Ω同軸ケーブルを挿入してインピーダンス変換を行う「Qマッチ整合」時に同軸ケーブルを同調フィーダーとして使用する例があります。この場合,Qマッチ部のSWRは1.5で,長さが1/4波長ですから発生する損失はわずかです。
                           Qマッチ整合の例は ⇒ こちら

次の10項「アンテナチューナー(カップラー)」は ⇒ こちら

はしごフィーダー用 アンテナチューナー(カップラー) ⇒ こちら

総目次へもどるは ⇒ こちら

  1. 2012/03/18(日) 22:00:34|
  2. アンテナと整合
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<ETCを自分で取り付ける | ホーム | Windows Vista ディスクのクリーンアップ>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://take103.blog.fc2.com/tb.php/45-fb86c638
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)