皆空の中で...

昭和28年版 ラジオ アマチュア ハンドブック

昭和28年版 ラジオ アマチュア ハンドブック 
  The radio amateur's handbook 1954 /JARL         総目次へもどるは ⇒ こちら


………Radio amateur's handbook 愛称「アマハン」の紹介………

「はしごフィーダ-」の損失データを詳しく掲載している資料はないかと物置をさがしていたら,昔,お世話になった昭和28年版「ラジオアマチュアハンドブック」が出てきました。戦後数年しか経過していない時代に先輩方のなみだぐましい努力でまとめてくださった貴重なバイブル資料です。0-V-1受信機から進行波管まで掲載されています。運用編では人工呼吸法なども網羅されています。その中から抜粋して紹介したいと思います。

1.下図の左は表紙です。濃いグリーン仕上げで,表面に文字と世界地図が掘り込みで書かれています。下図の右は内表紙です。  資料はクリックすると拡大します
     1954-アマハン表紙-1 2内表紙

2.次は総目次です。   資料はクリックすると拡大します
     3目次

3.序文です。これを読むと,大正15年頃までは正規に許可されたアマチュア無線局はなかったが海外との交信が始まっていたとの記述がありますが,どのような送信機と受信機で運用していたのでしょうか。   資料はクリックすると拡大します
     4序

4.「アマチュアの信条」のページです。当然ですが,今も通用する内容です。   資料はクリックすると拡大します
     5アマチュアの信条

5.「A1A3送信機」の章目次です。「水晶片の修理と磨き方」とか「タンク回路」,「中和回路」,「ハイシング変調」などなど懐かしい記述があります。水晶FT243の水晶片を取り出してガラスの上に研磨粉を溶いて研磨したことを思い出しました。研磨して周波数があがりすぎた時は赤チンを薄く塗って周波数を下げたような記憶があります。   資料はクリックすると拡大します
     6_1_A1A3送信機目次

「A1A3送信機」の章から「送信機回路例」の抜粋です。GT管6V6単球の送信機でも十分に交信できる能力がありました。高価なプレート電流計の代わりに6.3V150mAのパイロットランプを使用し,明るさで電流を把握するなどアマチュア的です。また,この頃からパイマッチ回路が使用されていましたが,お金の無い無銭家はタンク回路を使用しました。   資料はクリックすると拡大します
     6_2_送信機例

次の回路例は,5球スーパーの受信用ST管で作成するA3送信機です。出力1W程度ですが,30mの逆Lアンテナを利用すれば近距離へは届いたでしょう。プレート電流計が無く,ワンターンランプの光具合でタンクコイルの同調状態を知る方法などアマチュア的です。
25Wの送信機にもプレート電流計を設備せず,プラグにつけたテスターをジャックに差し込んで電流を計る回路になっています。戦後間もない頃,電流計は高価だったと言うことを意味していると思います。私も無線家だったのでテスターで計りました。   資料はクリックすると拡大します
     6_3_A31W送信機

6.「受信機と付加装置」の章目次です。0-V-1(0V1受信機),1-V-2(1V2受信機)が主流だった時代を思わせます。コイルの箱を差し替えるHRO受信機などは高嶺の花だったと思います。BC779やBC342,TCS-9など軍用の受信機の回路は,その片鱗も見当たりません。GHQもあり,オフィシャルには軍用無線機の回路に触れるのは避けたのでしょう。   資料はクリックすると拡大します
     9受信機と付加装置目次

「受信機と付加装置」の中から「1-V-2受信機(1V2受信機)」の回路図です。完成度の高い回路で,再生回路のカソードタップの位置が性能を左右したと思います。  資料はクリックすると拡大します
     9_1-V-2受信機

7.「フィーダーとアンテナ」の章目次です。  資料はクリックすると拡大します
     10_フィーダーとアンテナ

「フィーダー損失」のページです。この中に「はしごフィーダーの損失」が記載されていました。5C2Vや7C2Vなどが見当たらないのは,まだ生産されていない時代だっかのかも。  資料はクリックすると拡大します
     10_2_フィーダー損失

8.「VHFの基礎と工事」の章目次です。当時,アマチュアにとって未開拓の周波数でした。送信管の832A,829Bなどは高嶺の花だったと思います。受信用のエーコン管955などが重宝された時代でした。  資料はクリックすると拡大します
     11_VHFの基礎と工事

9.「ステーションの構成と運用」の章目次です。この中に「人口呼吸法」「平和と調和」「均衡と節制」「忍耐」「健康」のページがあります。当時の編集委員の方々の姿勢がうかがえます。  資料はクリックすると拡大します
     12_ステーションの構成と運用

「ステーションの構成と運用」の中から「人工呼吸法」のページの抜粋です。  資料はクリックすると拡大します
     12_1_人口呼吸法

10.「資料編」に受信用真空管,送信管807,813,4P60等にとどまらず,クラストロン,マグネトロン,進行波管などまで掲載されています。アマチュア無線で進行波管などを使用するとは思えませんが,当時の最先端の電子管まで掲載されています。  資料はクリックすると拡大します
    13クライストロン規格表
    13_2_進行波管

11.「広告」ページです。当時,誠文堂新光社から発売されていたアマチュア向け書籍が紹介されています。  資料はクリックすると拡大します
     15付録広告

このアマチュア ハンドブックの価格が掲載されています。
     14_出版日

以上,ラジオアマチュアハンドブックの紹介です。

おことわり
各章の目次の上に記載した担当された方のお名前と所属,職業などは前ページからそのまま転載しました。従って,それらは当時のものです。

総目次へもどるは ⇒ こちら


  1. 2012/01/17(火) 23:30:04|
  2. アマチュア無線
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<6.SWRの測定と注意点 | ホーム | 5.定在波(SWR)とアンテナ電力(試算)>>

コメント

28年版ラジオアマチュアハンドブック

28年版ラジオアマチュアハンドブックを興味深く拝見しました。
当時のアマチュア無線家の、技術の先進性のみならず、志の高さを感じました。
「ラジオアマチュア」という言い方が良いです。


  1. 2012/01/19(木) 09:34:28 |
  2. URL |
  3. 浅野 昇 #-
  4. [ 編集 ]

28年版ラジオアマチュアハンドブック

コメントありがとうございます。
28年版ラジオアマチュアハンドブックの「VHFの基礎と装置」章を担当くださった方をご存知と思います。お会いできた時に「バイブルとして読みました」と話したら,笑顔で昔を思い出しているようでした。プレート電流計の代わりにパイロットランプの光量で電流を把握する方法は,私は高周波電流計の代わりにも使用した記憶があります。
  1. 2012/01/19(木) 11:12:41 |
  2. URL |
  3. 43kota2 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://take103.blog.fc2.com/tb.php/39-9e7aa42d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)