fc2ブログ

皆空の中で...

R3年9月 1アマ試験(HZ309)工学問題 解き方

令和3年9月 1アマ試験(HZ309)工学問題 解き方

     1アマ 過去問(計算問題)の解き方の目次は ⇒ こちら    総目次は ⇒ こちら

    このページは R3年9月の1アマ試験に出題された工学A問題と過去問の関係です。
    過去問の解き方は「1アマ試験工学_計算問題の解き方_目次」⇒こちらを開いてください。 



A-1.電界中の点電荷にはたらく力と,離れた2点間の電位の知識を問う出題
    ・・・・ 計算問題ではないので解き方を省略 ・・・・正答は番号4 




A-2.環状鉄心の磁束密度から鉄心に巻いたコイルに流した電流を求める出題
 HZ309A2.jpg
  磁束密度を算出させる出題が一般的ですが,この出題は磁束密度からコイルに流した
  電流を逆計算させる・・・計算力を問う問題
  解いて見ましょう。
    HZ309A2a2.jpg
                         ・・・正答は番号2
       この問題のポイントは,上記の緑枠の式を習得していることです。




A-3.抵抗回路の合成抵抗値を求める出題
  HZ309A3.jpg
   この問題はΔ(デルタ)回路をY(スター)回路へ変換する式の知識を問う出題です。
    解いて見ましょう。
    HZ309A3a.jpg
      HZ309A3a2.jpg
                             ・・・正答は番号3

     日本電気技術者協会のページ「Δ-Y変換による回路の簡易化」⇒こちら 
      の中に同じ形の例題があります。

     それとは別に,
     半年前のR3年3月期の 第1級総合無線通信士、第1級海上無線通信士
     「無線工学の基礎」試験問題(AK・XK303 )A-5に,Δ- Y変換を使用して抵抗値を
     求める問題が出題されています。


     1アマに出題されるかも知れないので,その問題の解き方を参考として記載します。
     問題:次の回路のab間の抵抗値を求めよ。
         1総通303A5a1
      【解き方】2つの抵抗を斜めに書くとY 型の結線部分があります(赤文字のR)。
          1総通303A5a2
       Y 型の部分をΔ 結線に変換すると下図のようになります。
          1総通303A5a3
       上下が同じ状態なので平衡ブリッジとなり,縦の抵抗は回路から外せるので,
       あとは簡単な計算でab間の抵抗値が算出できます。
     1総通303A5a4
                               ・・・105Ωですね。

     この1総通の問題は上下が対称な回路なのでΔ- Y変換を知らなくても
     H30年4月期 1アマ試験工学(HZ004)A-4の解き方 ⇒ こちら
     の手順で簡単に解けます(1総通より1アマの問題がレベルが高い?)





A-4.抵抗とコンデンサーの直列回路の過渡現象の出題
     この問題は計算問題ではありません。
     過去から繰り返し出題されています(HZ112_A5とかHZ104_A4など)。
     1アマ試験を受ける人なら基礎知識で正答を見つけることができるでしょう。
      ・ 時間が経過するとコンデンサーの電圧が上昇し,流れ込む電流は減少する。
                  ・・・この時点で,問(3)は②が正しいとわかる。
      ・ コンデンサーの電圧Vcは時間が経過する(時間tが大きくなる)と,
        最終的に直流電圧Vと同じ値となる。
        HZ309A4a.jpg
        以上より, ・・・正答は番号2とわかる。
         (63%を知らなくても正答を見つけることができます)




A-5.抵抗Rと誘導リアクタンスXLの並列回路の電力の出題
     この問題は基礎知識を問うもので,計算問題ではありません。
     以下は参考です。
      HZ309A5a.jpg
                            ・・・正答は番号5




A-6.フォトトランジスタについて出題
     計算問題でないため解説は省略します。
     (フォトダイオードとの違いを知っていれば簡単です)
                         ・・・正答は番号2



A-7. セラミックフイルタの動作,用途についての出題
     計算問題でないため解説は省略します。
     過去から繰り返し出題されています(HZ108_A7など)。
     セラミックの圧電効果を利用したフイルターとして,
     FM受信機の中間周波数のフイルターと利用される。
     ここまでの知識があれば正答は3とわかる。
                              ・・・正答は番号3




A-8.トランジスタ発信回路の原理的構成について出題
      計算問題ではなく,知識の出題です。 
      この問題も過去から繰り返し出題されています(HZ104_A9など)。
      次の知識があれば簡単。 
      発信するためのリアクタンスX1,X2,X3の特性の条件は
      X2とX3は同じ種類のリアクタンス,X1とX2は異なる種類の
      リアクタンスでなけれなならない。
                       ・・・正答は番号4




A-9.負帰還増幅回路の増幅度の出題
      この問題も過去から繰り返し出題されています。
      計算問題ではないので省略しますが,少し参考メモです。
        HZ309A9a.jpg
                        ・・・正答は番号 1




A-10.標本化周波数,量子化ビット,誤り訂正符号から伝送ビットレートを求める出題
     簡単です。
        標本化周波数24[kHz]×(量子化16bit+誤り訂正符号2bit)
        24×(16+2)= 432 [kbps]
                       ・・・正答は番号5




A-11. AM波の平均電力を表す式を見つける出題
      計算問題ではないので解説は省略
                     ・・・正答は番号3




A-12.移相法によるSSB波の上側波帯USB発生方法の原理について出題
HZ309A12.jpg
HZ309A12b3.jpg

  この問題は三角関数の「和積の公式」を使用する出題です。
    HZ309A12a.jpg
                          ・・・正答は番号3



A-13.FM通信で最大周波数偏移を3.25[kHz],変調信号の最高周波数が3[kHz]の
     正弦波の時の占有周波数帯幅を求める出題

     この問題はR1年12月A-11出題の値を変えて再出題されたのものです。
     「 1アマ試験_無線工学 過去問の解き方_TKA目次」 ⇒こちらから
     目次番号「.53.【追加】R1年12月 1アマ試験無線工学の計算問題 正答を見つける」
     を参考にしてください。
                   ・・・正答は番号2



A-14.ノイズブランカの動作についての出題
     計算問題ではないので解説は省略  ・・・正答は番号4



A-15.FM受信機の動作,回路等の特徴についての出題
     計算問題ではないので解説は省略  ・・・正答は番号5




A-16.図に示す整流回路の出力電圧の値を求める出題
       出題の回路は3倍電圧整流回路として働く。
       電源電圧は実効値210[V]だから整流後の電圧は
       (210×√2)×3≒890 [V]
                         ・・・正答は番号5



A-17.ニッケル・水素蓄電池の知識を問う出題
     計算問題でないので解説は省略    ・・・正答は番号4



A-18.1/4波長整合回路のインピーダンスの計算
 HZ309A18.jpg
     この整合方法は,ループアンテナを自作した人は経験していると思います。
     その意味では,アマチュア無線の試験問題としてふさわしい出題かも・・・
     HZ309A18a.jpg
                    ・・・正答は番号2
     具体的な1/4波長整合回路の使用例については,
     Topページ「皆空の中で TKA目次のページ」⇒ こちら  の中の
     目次番号「B31.正三角形の1波長ループANT(18MHz)のインピーダンス・・・」
     を開いたページの文末に記載しています。





A-19.接地アンテナの接地についての知識を問う出題
       計算問題でないので解説は省略  ・・・正答は番号1





A-20.離れた受信点の電界強度を求める出題
HZ309A20.jpg
 頻繁に繰り返し出題されている問題です。
 (H20年12月,H21年12月,H24年4月,H25年4月,H26年8月,H27年8月,H28年12月)
 令和2年12月には受信電界強度Eの値を示して,距離を逆算する出題でした。
 (H19年8月,H30年4月)
 解き方は1アマ目次ページ  ⇒ こちら から
 「....25.離れた受信点の電界強度の算出問題の正答を見つける」
 を開いて参考にしてください。
                     ・・・正答は番号4




A-21.VHF帯以上の電波における山岳回析による伝搬について出題
       計算問題でないので解説は省略  ・・・正答は番号1





A-22.HF帯の電波伝搬における電離層のじょう乱現象について出題
       計算問題でないので解説は省略  ・・・正答は番号2




A-23.内部抵抗のある電圧計を接続する前と,接続した時の電位差を算出する出題
HZ309A23.jpg
  この問題は2アマレベルの出題です。
  抵抗の並列計算ができれば簡単です。
     HZ309A23a.jpg
                                ・・・正答は番号2




A-24.スミスチャートの基礎的な知識を問う出題
      この問題は1アマ試験では初めての出題かも と思います。
      計算問題ではありませんが,初めての方のために簡単な説明します。
      スミスチャートは,アンテナと給電線とのマッチング(整合)回路の設計時に
      コイルとコンデンサの値を求める時に便利です。
      下図は出題のチャート図に書き加えたものです。
      (1) 外側円の右側に内接する形で少しずつ大きくなる円を「等抵抗円」と言います。
      (2) 右側から左方向へユリの花が開くように上下に広がる線を「等リアクタンス円」
        と言います。
      (3) 緑色の横線より上側はリアクタンス分が+j(インダクティブ)を表します。
      (4) 緑色の横線より下側はリアクタンス分が-j(キャパシティブ)を表します。
        HZ309A24 aスミスチャートの概要
      (5) 中心の小赤丸1.0は,正規化した値です。 
        多くの場合, Z= 50Ω±0Ω(リアクタンス分が無い点)を表します。
      (6) 小赤丸2.0 は Z=100Ω±0Ωを,小赤丸0.5は Z=25Ω±0Ωを表します。
      (7) 緑線の右端はZ=∞(開放)を,左端はZ=0(短絡)の点です。
      (8) ▲印の少し下の赤丸の点はZ=1.0 + j1.0 ⇒ Z= 50Ω+j50Ωを表します。
      (9) ▲印の点は,Z= 35Ω+j75Ω くらいでしょう。
          (本物のチャートは細かいメモリがあるので正確に読めます。)
       以上で正答が見つかります。
                           ・・・正答は番号1
   





A-25.FFT アナライザーの構成について知識を問う出題
        計算問題ではないので解説は省略しますが,
        この問題はR3年3月の1総通試験 無線工学A(AA303 A-19)と同じ問題です。
        以下は参考です。
        FFT(高速フーリエ変換Fast Fourier Transform)アナライザーは,
        被測定信号(アナログ信号)をデジタルデータに変換してFFT演算機で
        演算し,周波数領域のデータに変換して表示部に表示される。

        以上より,解答番号2の記述(時間領域の)に誤りがあることがわかります。
                              ・・・正答は番号2
        1総通とほぼ同じ出題でした。

       



【感想】
令和3年9月は,これまでの1アマ問題の範囲でなく,電検の出題問題などまで範囲を広げて
問題が作られた感じがします。 問題A-18「1/4波長整合回路」,A24 「スミスチャートの知識」等は
アンテナの設計や自作の際に用いる技術なので良い出題かなと感じます。

        



1アマ 過去問(計算問題)の解き方の目次へもどるは ⇒ こちら    

総目次へもどるは
 ⇒ こちら



  1. 2021/10/04(月) 18:30:00|
  2.  1アマ_無線工学のコツ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<閲覧履歴,クッキー,キャッシュを削除する手順 (Google Chrome) | ホーム | RLC共振回路のQの定義からQ値の計算式を導く>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://take103.blog.fc2.com/tb.php/316-2904f3ef
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)