皆空の中で...

HP Touch Smart 310の修理(SATAケーブルコネクタ接触不良)

HP Touch Smart 310の修理  (HDD交換,SATAケーブルコネクタ接触不良と修理 )

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知人から一体型パソコン HP TouchSmartが起動しないと送られてきました。
症状は「ブルースクリーンに白英文字でトラブル表示」の状態でした。
その文字情報の中の「エラー番号」が *** STOP : 0X0000007A でした。ハードディスク(HDD)故障を示す番号です。
ハードディスク(HDD)からOSがRAMへ読み込めないためWindowsが起動しないのでしょう。
次の写真がHP Touch Smart 310です(写真は修理完了後のものです)。
     1_HP touchsmart 前面

次はTouch Smart 310の仕様です。
     HP TouchSmart310
液晶ディスプレイの裏面にマザーボードやHDDなどが組み込まれた一体型の作りです。
裏面中央のビスを緩めるとハードディスク(HDD)のカバーが外れ,HDD交換が容易にできますが、メモリ交換は裏面カバー全体の取り外しが必要です。

HDDを取り外し,別のPCへ接続してSMART情報を調べた結果,セクター不良などが多い状態となっていました。
手持ちの非AFTのHDDへ交換し、リカバリーディスクから再セットアップしました。
    持主がリカバリーディスクを作成していたので助かりました。
     (メーカでは当機種のリカバリディスクの提供を終了しています。)

        出荷時の状態に戻す
工場出荷時の状態で起動できたので,Windows Updateを実行しWindows7を最新状態にして知人へ送り返しました。
ここまでは想定していた範囲の修理なので簡単でした。
WindowsUpdateには時間がかかりました Hi ・・・


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問題はここからです。
修理後,問題なく動いていたようですが3週間後に「またまたブルースクリーンが表示されたと」再び送られてきました。
到着品を動作させたところ,正常に起動し、ネットサーフィンもできました。症状が起きません・・・???

2時間ほど連続運転をさせたところ,徐々に不安定になり,次の写真のブルースクリーンに白字のエラー文字が表示されました。
エラー番号は *** STOP : 0X000000F4 :HDDかメモリの故障の表示です。
               (すべての画像はクリックで拡大します)
   ブルースクリーン画面全体

HDDか、メモリかを切り分けるために,Knnpix-CDで起動させ,Knoppixのブラウザでネット接続させたところ問題なく動作しました。
これによって,メモリなどには問題はないと推測しました。
( Knoppix-CDや,Ultimaite Boot CD を作っておくと便利です)
   作成方法は総目次の
      D26.Ultimate boot CDの作成~
      D29.起動しないPCをKNOPPIX_CD1枚で起動_KNOPPIX_CDの作成  を参照ください。)


あれこれ調べているうちにHDDドライブがBIOSで認識されない状態になってしまいました。
BIOSの起動はロゴが表示されている間にF10キーをトントンたたきます。
     TouchSmart ロゴ画面

ところが,HDDを取り出して別のPCで調べたところ致命的な不良は見当たりません。
もしかしたら,HDDとマザーボードの間のSATA信号が正常に送受できない状態が発生しているのでは?と思いつきました。

PCの裏側カバーを取り外してSATAケーブルなどを調べることにしました。
次がTouch Smart 310の裏面です。
   2_touchsmart310裏面

裏面カバーの取り外しは,
(1)足を取り外し,裏面カバーの左右上下4本のビスを取り外し,DVDドライブのビス(次の写真)を緩めます。
(2)裏面カバーは、右側から外して、最後に、DVDビスの部分から抜きます。
   3_touchsmart310cd_.jpg

次は裏面カバーを取り外した状態です。
右下の矢印で示すケーブルがSATA信号ケーブルです。7ピンで接続してHDDとマザーボード間の情報の送受を行います。
写真のSATAケーブルはマザーボード側から抜いた状態です。
               (すべての画像はクリックで拡大します)
   4_touchsmart内部

次はSATAケーブル(7pin)とその奥に見えるマザーボード側のコネクタです(暗くて明瞭に写りません)。
   5_HDDへのSATA信号ケーブル

SATSケーブルを再び差し込んでみました。スコと入り,スコと抜けます。不思議なくらいにスコスコの状態です(USBメモリのような挿入感がまったくありません)。
   6_SATAプラグを押し込む

SATAケーブルを再び抜いて点検しました。次の写真がSATAケーブルのプラグ側です。
7ピンの金属接点(細長の接触金属)が光っています。奥までは虫眼鏡がないと見えません。
   7_SATAプラグの接点

このプラグとマザーボードのメス側の接点は次の図のような仕組みになっています。
SATAケーブルのプラグを差し込むことによって,マザーボード側コネクタの金属接点と一定の長さで接触します。接触が十分なので電気信号は正常に送受できます(下図)。
   A1_SATAプラグの説明図_正常

ところが,このPCのSATAケーブルプラグはUSBメモリの抜き差しのような挿入感が無く,スコスコの状態でした。
なぜこのような状態になったのかですが,
SATAケーブルを短い距離で湾曲させていたため,コネクタ部へ下図のような方向へ力が加わった状態が続いたと思います。
この状態でコネクタ部へ年月をかけて熱が加わったため,コネクタ部の樹脂が少しずつ変形し,嵌合がゆるくなったのでしょう。
同時に接触の面積が少しずつ減少し,電気抵抗が増加~更に高抵抗(オープン状態)へと変化したと考えます。
           (すべての画像はクリックで拡大します)
   A2_ SATAの曲げからの力2


マザーボード側のコネクタの取替えは簡単ではないので,下図のようにケーブル側プラグの下側へ0.5mm厚の小さな板を貼り付けて挿入し,プラグ側の接触面を上方向へ押し上げ,マザーボード側の接触面としっかりと接触させました。

   A3_SATAコネクタ部の改善


これで,当初の接触状態とほぼ同等になります。併せて,不要な方向への力が加わらぬように,SATAケーブルの固い被服の一部を切り取りとるとともに,ケーブル固定金具から浮かせました。
(固定金具から浮かせたことによってSATAケーブルが基盤のコネクタ部から抜けることが無いように絶縁線でコネクタ部と結びました)

     A4_留め金具からも浮かせ抜けないように

今回,0.5mm厚の薄いプラスチック板をプラグの下側へ貼り付けてメス側へ差し込みました。
プラグを差し込む前に,次の写真のような清掃道具を作り,プラグ側接点,マザーボード側接点,HDDの出力と受け側の金属面などをエタノールで清掃します。
清掃は写真のようなプラスチック板に「不識布」を裏表に張って,エタノールを含ませて接触部分をやわらかく拭きます。
「不識布」は花粉症マスクの材料のようなものでもよいでしょう。
綿棒は大きすぎて清掃できません。
        8_接触面の清掃

HDDは,他のPC(Windows7)へ接続して「ディスクのチェック」を済ませてからPCへ装着しました。
(動作中にSATAケーブル接続が不安定だったとしたら,HDD内のシステムがおかしくなっているかもしれませんので,少なくとも「ディスクのチェック」をして修復しておかないと,システムが正常に起動できないかもしれません。)
「ディスクのチェック」でなく, sfc /scannow でシステムチェックが良いかもしれません。

【参考】 sfcコマンドによるシステムファイルチェックは次の手順です。
     スタート>すべてのプログラム>アクセサリ>コマンドプロントを右クリック>管理者として実行で開く。
     開いたコマンドプロント画面に sfc /scannow を打ち込みEnterキーで実行開始。
     sfcコマンド2


念のため,ハードウエア診断もしました。
起動直後のロゴが表示されている間にF9キーを押すとハードウエア診断をします。
下図はハードウエア診断結果です。
     F9診断結果

以上の結果,PCは安定して動作する状態に回復しました。
(本来は,もう一度リカバリメディアからインストールするのがベターです)

今回は以上の方法で修理できましたが,接点は見かけで接触していても,微小信号の接点は経年によって生ずる皮膜によって接触抵抗が大きく増加することがあります(電気通信装置などでも発生している古くて新しい問題です)。

後記:SATA接続の仕組みは、プリンターのコネクターなどに比べるとラフだな~と感じます。


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  1. 2015/07/03(金) 17:20:45|
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