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測定器なしで空芯コイルのインダクタンスを調べる

測定器なしで自作空芯コイルのインダクタンスを調べる方法
     How to measure coils without Inductance measuring instruments ?
     When there is a HF transceiver, you can know the inductance easily.
     This page is the way.

                                  総目次へもどるは ⇒ こちら

21MHz用のアンテナチューナー(整合回路)に使用する空芯コイルを自作しました。
以下は,自作の空芯コイルのインダクタンスを測定器を使用しないで調べる方法です。

次の写真は塩ビパイプを使用して作成した直径23mmφ,巻き数15回,コイル長35mmの空芯コイルです。
              (この空芯コイルの作り方はこのページ末をご覧ください)
線輪の間の半透明の物質はエポキシ接着剤です(100円ショップの製品)。
室温が高かったためか接着剤が広がってしまいました(下手ですね)。
          上手な作り方は ⇒こちらのページ へもどってください。
         1_小型空芯コイル写真


次の写真はサランラップの巻芯を利用して作った直径30mmφ,巻き数22回,コイル長33mmの空芯コイルです。
(サランラップ芯を利用した空芯コイルの作成は ⇒ こちら 
線輪を固定するエポキシ接着剤の使い方が下手で広がってしまいました。(安物の接着剤のせいかも…)。
目的のインダクタンスに近い値を得るためにコイルの途中に端子を作っておきました。
       30φL33T22_1

本題の「自作したコイルのインダクタンス値を調べる」方法です。
mHより大きなインダクタンスであれば高機能デジタルテスターでも測定できそうですが,今回は0.5~10μH レベルのインダクタンスなのでそれらでは測定できません。μH レベルの高周波コイルのインダクタンス把握する計測器は高価なため無銭家には手が出ません。デップメータと精度の高いコンデンサーがあれば,デップ周波数からインダクタンスを計算で求めることができます。

自作コイルはソレノイド型なので,ネットの計算ページを利用してインダクタンスを計算することができます。
私が利用させていただいた計算ページは「RF Design Note 」の「ソレノイド・コイル 設計 ツール」 ⇒ こちら です。
このページへ自作コイルの直径,巻き数,コイルの長さを入れて計算させると,たちどころにインダクタンスを算出してくれます。
          コイルの巻き数とインダクタンス2
この計算ページでは,コイル線の太さを指定することができません。概ねの値が求められれば十分ですが,アマチュア無銭家的に測定器を使用しないで自作コイルのインダクタンスを調べてみることにしました。

以下はデップメータも何も使用しないでコイルのインダクタンスを求める方法です。
方法は次の通りです。How to measure coils without Inductance measuring instruments ?
   (1) 自作した空芯コイルで発信回路を動作させる。
       I install a making coil and make a Clapp oscillator circuit.
   (2) 発信信号を手持ちのHFトランシーバで受信する(発信周波数を知る)。
       Oscillator signal is received by a HF transceiver.
              (ディップメータより精度の良い周波数把握ができる)
   (3) 発信周波数から計算してコイルのインダクタンスを算出する。
       Inductance is calculated from the received frequency.  

次がトランジスタ1個の発信回路(Clapp oscillator circuit)です。Lが自作コイルです。
コンデンサーC1,C2,C3は精度の良い±1%のものがベストですが,安価な±5%のもので妥協しました。
   (0.3μH程度の小さなコイルを調べる場合はC1,C2,C3を330pFにした方が良いでしょう)
トランジスタは高周波特性Ftが高い2SC1906を使用しました(店aitendo:5個で100円)。2SC1815でも大丈夫でしょう。
     クラップ発信回路2

発信周波数はコイルLとC1,C2,C3,で決まります。
HFトランシーバで発信周波数が受信できたら,次の手順でコイルのインダクタンスを算出します。
(1アマ2アマの試験問題に出てきそうですね~)
     発信周波数からLを求める式

次の写真は実際に発信させているところです。発信回路の部品は合計7個です。動作電圧は3Vです。
コイルの直径23mm,巻き数15回,コイル長36mmの全体を使用して発信させています。
     50_23φL36T15
HFトランシーバのアンテナ端子からビニールコードを発信回路の近くへ引いて,受信ダイヤルを回して発信信号を受信します。
この時に,高調波を発信周波数と誤らぬように気をつけます(基本波の方が強い)。
コイル全体を使用した時の発信周波数は12.8MHzとなりました。

          発信周波数が12.8MHz
ネットのページ「RFDN ソレノイド・コイル 設計 ツール」で計算した結果は2.5μHでした。
ネットの計算ページでは配線のインダクタンスなどを含まない算出です。
写真の発信回路では配線や浮遊容量などを含むのでインダクタンスは若干大き目になりますが,両者の差は0.08μHですから発信周波数からの算出値も概ね正しいと評価して良いでしょう。


次の写真はコイルの右から10ターン目に接続した場合です。
       51_23φL26T10
上の時の発信周波数は16.5MHzとなりました。
この周波数で同様にインダクタンスを算出したら 1.5μH となりました。
ネットの「RFDN ソレノイド・コイル 設計 ツール」で計算させた結果は 1.4μH でした。差は0.1μHです。

次の写真は右から7ターン目に接続した時のものです。
       52_23φL17T7
上の時、発信周波数は 20.7MHz となりました。
この周波数で同様に算出したらインダクタンスは 0.98μH となりました。
ネットの「RFDN ソレノイド・コイル 設計 ツール」で計算させた結果は 0.93μH でした。差は0.05μHです。

次の写真は右から5ターン目に接続したものです。
       53_23φL14T5
上の時の発信周波数は25.97MHzでした。
この周波数で同様に算出したら インダクタンスは 0.6μH となりました。
「RFDN ソレノイド・コイル 設計 ツール」で計算させた結果は 0.53μH でした。差は0.07μHです。

次の写真はサランラップの巻芯を利用して自作した直径30mmφ,巻き数22回,コイル長33mmの空芯コイルの全体で発信させているものです。
     54_30φL33T22
上の時の発信周波数は6.38MHzでした。
この周波数で同様に算出したら インダクタンスは 10μH となりました。
このコイルには右から 1.5回目,2.5回目・・・とタップを作っておきました。
それぞれのタップを利用するとさまざまなインダクタンスのコイルとなります。

以上の結果から, 発信回路を用いたインダクタンス算出方法はまずまずの手法と言えます。

アンテナのマッチング(整合回路)用としてピッタリの値のインダクタンスを作るには、コイルのタップを細かく接続替えすれば可能です。あるいは,下図のように2つのコイルを直列にしたり,直角に配置したり,巻方向が打消すように接続したりすることで,インダクタンスを細かく増減する方法もあります。
       インダクタンスの調整方法


次の写真は2つの小さなコイルを互いに90度の角度で接続した例です。
発信周波数31.1MHzだったので,計算した結果,2つのコイルの合成インダクタンスは0.3μHでした。
       2つの直交コイル0.3μH



今回使用した23mmφの空芯コイルの自作手順を示します。

【1】 コイルの巻枠を作る。
  塩ビパイプ(PVC)を2つに割ります。
       2_空芯コイルの作成

【2】 塩ビパイプ(PVC)をガスコンロで温めて,単3電池が楽に入るように広げます。
       3_少し広げる

【3】2つの単3電池をはさむようにして塩ビ管をテープで巻きます。
  中央部はスリットとして空きが見えるようにテープで固定します。
       4_巻枠の完成

【4】 巻枠に銅線を巻きます。1mmφのポリウレタン線でもOKです。
       5_銅線を巻く

【5】 スリット部に2液エポキシ接着剤を塗布し,接着が固まるまで待ちます。
   接着剤が固まったら,電池をぬいて,塩ビパイプを取り外します。
       DSC01383.jpg
   接着剤を多量に使用すると塩ビパイプへ付着するので注意します。
   (巻枠の上にサランラップなどを巻いてコイルを巻くと接着剤が巻枠の塩ビパイプに接着しません)。



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  1. 2015/05/13(水) 22:03:46|
  2. アンテナと整合
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