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続:垂直ANT(4~10m)の7MHzでの給電点インピーダンスと整合回路・放射効率

続:垂直ANT(4m~10m)の7MHzでの給電点インピーダンスと整合回路・放射効率
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このページは前ページからの続編です。
前ページでは7MHzを2m長の垂直接地ANTへ給電した時のインピーダンス・整合(マッチング)回路,放射効率などを求めました。    前ページへもどるは  ⇒ こちら 

このページは長さを4mへ,更に6m~10mと長くした時のインピーダンス・整合回路の値,放射効率などを調べてみましょう。
垂直接地ANTの給電点のインピーダンスを”MMANA”で計算してみました。周波数は7.05 MHz,ANTワイヤーは直径2mmφの銅線としました。
               MMANAの入手・使用例は ⇒ こちら に戻ってください。
下図の2m長のインピーダンスは前ページと同じです。4mになると Z=3.51-j509.4です。 6mでは Z=8.59-j291.5 とと実数部Rの値が少しずつ大きくなりますが,同軸ケーブルの特性インピダンス50Ωに比べるとまだまだ小さな値です。
計算上の1/4波長=(300÷7.05 MHz)÷4=10.64mですが,その96.8%の長さ10.297mの時に実数部が 36Ω,リアクタンス部がほぼ ±0となり,ANT線単体で7.05MHzに共振している状態となります。

       01.ANTインピーダンス

上図の値をフリーソフト「Smith V3.10」に打込み,整合(マッチング)回路と,そのインダクタンスLとコンデンサCのを求めた結果,次のようになりました。
     フリーソフト「Smith V3.10」の入手と使い方の例は ⇒ こちら に戻ってください。


下図の左は「Smith V3.10」で示された長さ4m@7MHzの時,右は長さ5m時の整合回路のLとCの値です。
     02_4m時のLC値2  04_5mLC値2

下図の左は長さ6m時,右は7m時の整合回路のLとCの値です。
     06_6mLC値 2  08_7mLC値2

長さが10.297mの時,Rの値が36Ω,リアクタンスが±0Ωとなります。この時の「Smith V3.10」における,位置は下図のA点です。36Ωを50Ωへ変換するために直列コイルL:0.49μHを挿入した時がB点です。B点でのリアクタンス分を打ち消すためにC:279pFを並列に挿入した時がC点です。これで Z=50Ω±0 の位置へ移動しました(50Ωへ整合)。

       09_10.297m チャート図

          10_10.297 LC値2

ついでですが,
コイルを全く使用しないでマッチング(整合)させる方法です。
垂直ANTの長さを7.05MHzの1/4波長より少し長い11.5mにしてMMANAで給電点インピーダンスを計算してみてください。
Z=50.5+j90 とリアクタンス分がインダクティブになります。R分は約 50Ωですが,リアクタンス分が+j90 と大きいので50Ωの同軸ケーブルへ接続するとSWR値は大きくなります。

下図のA点は 50.5+j90 の位置です。
この+j90を打ち消すために-j90を挿入するとB点へ移動し,50.5±0 となります。
ソフト「Smith V3.10」は挿入する-j90 をコンデンサの値に変換して表示してくれます(251pF)。

       14_11.5m チャート図

マッチング(整合)回路は下図のようになり,コンデンサ 251pF 1個で済みます。
 (送信電力が50W以上の時は通過高周波電流に余裕をもたせるため100pF+100pF+50pFと3つのコンデンサーを並列使用するとベター)
          12_11.5mLC値2


ここまでをまとめると,次の表のようになります。
   17_ANT長さとLC値16_整合回路
マッチング(整合)回路は,1つのコイルと1つのコンデンサで整合させることができるのです。
上の表にあるように,ANTの長さが11.5mの時は,250pFのコンデンサー1つを直列に挿入するだけでマッチング(整合)がとれ,SWRは1.0になります。究極の安価なANTチューナとなります。

ANTが共振している10.3m長の時は,0.5μHのコイルと280pFのコンデンサーを上図右のように挿入するとマッチング(整合)がとれ,SWRは1.0になります。
 (280pFのコンデンサーは100pFを2個と,同軸ケーブル80cmを並列にして280pFを作ると安価で済みます)
     整合回路のコンデンサーとして同軸ケーブルを利用する具体例は ⇒ こちら です。


マッチング(整合)回路の損失についても調べてみましょう。
2m長のANTの場合は,ANT給電点の放射抵抗Rlの値に比較して,整合コイル内での高周波抵抗などによる抵抗Rcが大きいく,送信機からの電力の大部分は整合コイル内での熱損となりましたが,長さが4mになると,その状態は次のようになります。
次の式のQはコイルの品質(Quality Factor)です。
          22 コイルのQの式
コイルのインダクタンスが11.8μHなので1.4mmφポリウレタン線を直径50mmで空芯巻きすればコイル単体のQ(裸Q)は250以上となるでしょう。これらを代入して計算すると次のようになります。
          24_コイルのRc
ANT給電点の放射抵抗RLとコイル内の損失抵抗Rcの比がかなり改善され,送信機からの電力の半分以上が放射抵抗に加わる(放射される)ことになります。
          前ページの2m長の場合と比較してください。前ページへもどるは  ⇒ こちら 
          26_コイルRc損 

長さが6mになると次のように更に改善され,送信電力の大部分がANT放射抵抗へ加わることになります。
(マッチング(整合)回路=アンテナチューナー内での損失は10%程度となります)
          27_コイルの熱損

長さが8mとなると,整合回路での損失は更に減少します。
言うまでもないことですが,コイル単体のQ(裸Q)が高くなるように線輪の銅線を太くする・コイルを金属板から十分に距離をとって配置する・コイルの一部を短絡しないなどに配意します。詳しくは前ページの文末をご覧ください。



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  1. 2015/04/03(金) 13:00:45|
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