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MMANAを用いて1波長デルタループANT(正三角形)のインピーダンスを算出

MMANAを用いて1波長デルタループANT(正三角形)のインピーダンスを算出
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前回のページでは,1/4波長より短い垂直ANTの給電点インピーダンスをアンテナ解析ソフト「MMANA」を使って計算しました。前回のページへもどるは ⇒ こちら 
このページでは18MHz三角形ループANTの給電インピーダンスをMMANAを使って計算してみます。
               (MMANAの入手と基本的な操作は ⇒ こちらのページ へ戻ってください。)

アンテナ線を斜めに使用する時のMMANA定義データを次のように打込みます。
18.1MHzの1波長は300÷18.1=16.575mです。
正三角形の場合,1辺の長さは,16.575÷3=5.525mです。
頂点より底辺へ垂線を引き,左半分の三角形をみると底辺・高さ・斜め線の関係は1:√3: 2です。(三角定規を思い出してください)

     02_三角形1波長ループ
この数値をMMANAの「アンテナ定義」画面へ打込みます。
       (MMANAの入手・起動手順は前回のページ ⇒ こちら を参照下さい。)
下図の「アンテナ定義」画面のNo1行に底辺のWireデータを入れます。最初にX1の下の枠に0を打込みEnterキーを押すと1行目の枠にゼロが入ります。
1行目のY1は底辺の中心から左角へ2.763m, Z1は高さ0mを意味します。Y2は右角の位置データ(逆方向だから-2.763と高さ0)を入れます。(打込んだ数値は枠毎にEnterキーで確定します)

No.2行目のY1とZ1に左角の位置データ(2.763と0)を ,Y2とZ2へ頂点の位置データ(横方向0と高さ4.785)を入れます。
3行目のY1とZ1に頂点の位置データを,Y2とZ2へ右角の位置データ(-2.763と高さ0)を入れます。
左下の「PULSE]枠へ w1c と入れてEnterキーで確定します。
  ( w1c はWire 1のセンターから給電を表します⇒ダウンロードした時の説明書テキスト「MMANA」を読んでください。)
    04_定義ファイルの数値


タグ「アンテナ形状」を開くと,下図のようにANTの形状が表示されます。Wireの先端が離れている時は定義データの打ち込みに誤りがあります。「回転」~「縮尺」を操作すると見え方を変えることができます。
下図の枠内のデータは右斜辺Wire3のデータです。各Wireをクリックすると,そのWireのデータが枠内に表示されます。Wire3の長さが5.525mと計算通りになっています。
     06_ANT形状図


タグ「計算」を開き,左下の「計算」ボタンをクリックすると,アンテナのインピーダンスとSWRの計算結果が表示されます。
     07_18MHz正三角形計算結果


「周波数特性」ボタンで開き、タグ「Z」を開いて「全点」をクリックすると,周波数変化に伴うR分とjX分が表示されます。下図をみると,ループ全長が短くて19.5MHzほどにならないとリアクタンスが小さくならない(共振しない)感じです。
   10_周波数特性


【ここからが便利な方法】
最初の「アンテナ定義」画面へもどり,アンテナ線の長さを変えて計算するのは面倒です。
MMANAには「周波数にあったWireの長さを計算してくれる」機能が備わっています。タグ「計算」の画面にもどり「最適化」ボタンをクリックします。

以下は「最適化」されたアンテナのインピーダンスです。 リアクタンスが+j2と小さくなりました。75Ωの同軸ケーブルを使用するならSWR=1.39なので整合回路なしでも使用できそうです。50Ω同軸ケーブルなら103Ωなので「Qマッチ」セクションを使用することで整合できます(いずれも給電部にフロートバランの挿入がベター)。

     12_最適化


最適化された後のWireの長さがどのようになっているか「アンテナ定義」画面を開きます。
左角の位置Y1,,右角の位置Y2,高さ,Z2が少しずつ増えています。
     14_最適化後のワイヤ長

次は最適化された後の「アンテナ形状」画面に表示された各Wireのデータです。三角形ループの各辺の長さはこの画面の長さとすればOKです。 3つのWireの合計の長さがループの全長です。
一周の長さが計算値16.575mから17.836mと長くなっています。ダイポールANTは計算値の95~97%の長さでリアクタンスが最小になりますが,1波長ループANTは計算値の105~108%の長さでリアクタンスが最小になることを示しています。
     16_ループの全長


下図はこのアンテナのパターンです。給電点の地上高が10mと高くない割には「電波の打ち上げ角度(迎角)」が低く,DXへも電波が飛びそうです。
   18_パターン



【とっておきの手抜き手法です】
「計算」画面の「ワイヤー編集」ボタンで画面を表示させます。
Y-Z(正面からの眺め)でアンテナを表示させ,Wireの端をマウスで動かしてみます。そうすることで、正三角形だったANTが頂点の低い形になったりできます。ANTマストが4mしかない時などは正三角形でなく、高さが低く横に広がった形になるでしょう。
   20_ワイヤ編集を使う
この画面のマウス操作で,実際に建設できるアンテナ形状にしてみます。
上図のように左右も非対称の時もあるでしょう。形状とWireの合計長が約1波長となるように作図して「右下の「OK」ボタンを操作します。(各辺のWire長は右の「Len 」に表示されます。)
「計算」画面へもどり,周波数と地上高を指定して「最適化」をします。
そうすると,この形状のまま、各Wireの最適長が計算されて「アンテナ形状」の枠に表示されます。
(1波長とアンテナWireの合計長が大幅に違う場合は最適化によって計算がされないかもしれません)

この手法を利用すれば,最初の「アンテナ定義」データの打ち込み時に,メノコ数値を打ち込み,アンテナ形状でWireが離れていたら「ワイヤ編集」画面でWireをマウスで接続するなどして,最適化計算をすれば簡単に各Wireの最適長が算出できます。
(二等辺三角形の形でない時に,給電点を底辺の中心でなくアンテナ支柱部としたい場合は,給電部のための短いWireをアンテナ定義画面の4番目に枠に打込んで,PULSE枠に「w4c」と打込みます・・・詳しくは次の「逆三角形デルタループ」を参照下さい)

【参考:Qマッチで50Ω同軸ケーブルで給電】
話をもとにもどします。
正三角形の1波長デルタANTの給電点のインピーダンスが Z=103+j2.0となったので,,50Ω同軸ケーブルの接続時には整合回路が必要です。「Smith V3.10」を用いれば整合回路のLとCの値を簡単に算出できますが,Zが約100Ωなのでバリコンなどが不要な「Qマッチ」が簡便で耐久性がありベターです。
下図がQマッチ接続図です。
フロートバラン( floart balun )はトロイダルコア「FT114-43」に0.8mmφのホルマル線2本をよじった状態で8~10回巻ます(図の黒丸は巻き始め)。75ΩのQマッチ部の長さは下図の通りです。同軸ケーブルの接続部はエフコテープ等で防水をします。
       整合部
          Qマッチ1


逆三角形の1波長ループANTのインピーダンスを算出  ⇒ こちら  へ続く

フリーソフト「Smith V3.10」 で整合回路のLとCの値を求める ⇒ こちら


総目次へもどるは ⇒ こちら


  1. 2015/03/17(火) 12:05:41|
  2. アンテナと整合
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