皆空の中で...

Smith V3.10 で整合回路のLとCの値を求める

フリーソフト「Smith V3.10」でアンテナチューナー(ANT整合回路)を設計
                                           総目次へもどるは ⇒ こちら

このページは,前頁の続きです。前頁へもどるは  ⇒ こちら
前頁では「MMANA」を用いて垂直アンテナのインピーダンスを調べました。このページは、そのインピーダンスに整合させる回路とLとCの値を便利なソフト「Smith V3.10」を用いて調べる手順です(Smith V3.10の使い方の例)。

「Smith V3.10」はスイスのベルン大学の「Fritz Dellspergerさん」によって提供されている便利なフリーソフトです。
SmithV3.10 is the convenient free software for which Smith chart is used by a computer.
This software is offered by Mr. Fritz Dellsperger of Bern university Applied Sciences, Switzerland.


「Smith V3.10」ダウンロードはこちら ⇒  http://fritz.dellsperger.net/smith.html
次の画面の赤丸をクリックするとダウンロードが始まります。
          (すべての図はクリックで拡大します)
     50 smith v3.10をダウンロードする

ダウンロードが終了すると画面左下に次が表示されます。zipファイルを展開します(開きます)。
途中で,表示される選択画面は,気にせず進めます。ショートカットの作成は了承します。言語の選択は日本語にできません。
          52 ZIp ファイル

次のアイコンをクリックで「Smith V3.10」が起動します(次回からデスクトップのショートカットで起動)。
          54 ZIPファイルを開く


「Smith V3.10」が起動すると画面中央に次が表示されます。下図の中央をクリックすると作業画面となります。
          56.jpg

次が作業画面です。下図の太い赤丸はインピーダンス50Ωを表しています(下図は説明のために太線にしました)。初めてスミスチャートの図を見た方には、難しそうに見えるかもですが,以下の操作をしてみると簡単に使えることがわかります。
          (すべての図はクリックで拡大します)
   58.jpg

では実際のデータを入れて操作をしてみましょう。
 ・画面上の「keyboard」をクリックします(下図赤丸)。
 ・reの枠へインピーダンスのRの値(今回は20.329)を打込みます。
 ・imの枠へインピーダンスのJXの値(今回は-12.3299)を打込みます。
                     (マイナス記号を忘れないように)
 ・frequencyの枠へ周波数(今回は21.4)を打込みます。
 ・打込み数値を確認し、画面下の「OK」ボタンをクリックします。
          60打込み画面



スミスチャート画面の中にDP(小さな黒色四角)が表示されます。このポイントがR±jX(今回は20.33-j123.30)のDatepoints値の点です。
右側のSchematic=回路図画面にも縦書きでインピダンスが表示されています。回路図にはLもCも無い状態です。

     62.jpg

ANTが1/4波長より短い2.8mの場合なので,ローディングコイルを入れます。画面上部のアイコン(下図)で直列コイルを選択します。
        64.jpg

Smith V3.10ソフトが直列コイル(L=1.1μH)を算出し,画面に緑の円が表示されます。
     66.jpg


赤太円線と接する青円線の上でクリックするとTP2点が表示されます(下図)。
     68.jpg


画面の上のアイコンで,並列コンデンサーをクリックします(下図参照)。
     70.jpg


下図のB点からC方向へ線が表示されるので,マウスで50Ωの赤円と接するC点をクリックすします。
これで,右のSchematic=回路図の枠に整合回路とL=1.1μH,C=179.5pFの値が表示されました。
この値のコイルとコンデンサーをSchematic図のように挿入すれば良いのです。
画面右下の「Cursor」の中に,この回路を挿入した時のTX側から見たSWR=1.02,Z=51.08+j0を表示されています。
          (すべての図はクリックで拡大します)
     80 LC整合回路

Smith V3.10の回路図の左右を書き換えると,次のようになります。
この回路を,手計算で求めたページのものと比較してみてください。
手計算のページ「垂直接地アンテナと同軸ケーブルの整合」へもどる ⇒ こちら
        96 整合器の回路と数値
アンテナチューナーの整合回路は1つのコイルと1つのコンデンサーで構成できることがわかります。損失の少ないコイルとコンデンサーを使用すれば,部品数が少ないので低損失のアンテナチューナ(整合器)となります。
参考:コイルのQ(Quality Factor)は次の式で表されます。
            Qの式
   1.1μHなので空芯コイルで作ればQは200以上となります。
   f=21MHz,Q=200を代入し計算するとコイルのR分は0.7Ωとなります。
   0.7ΩはANT給電点のR分に比較して十分に小さいので整合コイル内での損失は
   少ないと考えて良いでしょう。
   ANTが0.2λより短くなるとANT給電点のインピダンスが更に小さくなり,整合コイルの
   インダクタンスが大きくなるため,コイル内での損失が増加します。
   (整合できてもチューナ内のコイルで熱となり,放射される電力が小さくなる)


【その2】
以上は最初に直列 L を使用しましたが,最初に並列 L を使用すると下図のようになります。
並列 L によるLC整合回路はL=0.58μH,C=39pFで作成できるため,コイルの巻き数が少なく,更に効率が良い整合回路となるかもしれませんが、コンデンサー(バリコン)を絶縁する必要があります。
     84 LC整合

【その3】
次は最初に直列Cを挿入し,次いで並列 L を入れ,直列Cを挿入した整合回路です。
この回路でも整合がとれます。,市販のマニュアルアンテナチューナーで多く使用される回路です。最初の直列Cの線上でCの値が80pFの点を選んでも整合点(50Ω+j0)とすることができます=2つのCとLを変化させることで広範囲のANTインピーダンスに整合できることがわかります。
     90 CLC整合

【その4】
次は,最初に並列Cを入れ,直列 L を入れ,並列Cを入れた時のSmithチャートと回路図です。この回路も,2つのCとLを変化させることで広範囲のANTインピーダンスに整合できることがわかります。
オートアンテナチューナなどに使用されるπ型整合回路ですね~。
          (すべての図はクリックで拡大します)
     92 π型整合

以上は,例題として21.4MHzにおいて1/4波長より短い2..8mの垂直アンテナを使用した時のインピーダンスと整合回路です。これと異なる周波数,アンテナの長さ,太さの時は,前頁のMMANAでのインピダンス算出に戻り、数値を変更すれば同様に整合器の回路常数が求められます。

【ことわり書き】
以上は整合回路の配線などの要素を含まない状態での解析値です。整合回路を自作する時はコイルやコンデンサーの配置や金属ケースからの距離・配線などの影響を受けるので,コンデンサーはバリコンを使用した方がよいでしょう。


前ページへもどるは  ⇒ こちら

総目次へもどるは ⇒ こちら


  1. 2015/03/13(金) 18:10:27|
  2. アンテナと整合
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<MMANAを用いて1波長デルタループANT(正三角形)のインピーダンスを算出 | ホーム | MMANAで垂直ANTのインピダンス算出とアンテナチューナー(整合器)を簡易・安価に作る>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://take103.blog.fc2.com/tb.php/194-968e46cd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)