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HF帯のACARS電波受信とアンテナチューナー

HF帯のACARS電波受信とアンテナチューナー
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HF帯でACARS(Aircraft Communications Addressing and Reporting System)の電波を受信するための受信アンテナと受信機の間にチューナー(整合器)を挿入する場合は,CLC型アンテナチューナなどでなく,下図のようなものが良いと思います。

CLC型を含め全てのアマチュア用アンテナチューナは送信電力を送り込んで反射波が最も小さくなるようにSWR計を見ながらチューニングしますが,受信機のみの場合はアナライザーなどを使用してチューニング操作をしないとキッチリと整合ができているか確認が困難です。(キッチリととれていなくても受信には大きな影響ないかもですが・・・)

なお,受信機としてJRC製のNRD-545やNRD-345などを用い,高さのあるダイポール,逆Vダイポールなど平衡型水平アンテナを使用する場合はアンテナチューナーが無くても良いと思います。

HF受信機用アンテナチューナー回路

上図のアンテナチューナは,バリコン端子C0から同調コイルの端子C9からC2までの緑色の接続を切り替えることで広い周波数帯で使用できます。アンテナ端子側のa1,a2からアンテナコイルA1~A5の接続で,ダイポールなど平衡アンテナにも,ロングワイヤーなど不平衡アンテナにも使用できます。

コイルは,サランラップの芯を利用して,直径0.8mm程度の線で巻けば簡単です。
     サランラップの芯線に巻くは ⇒ こちら
受信周波数が5MHz~22MHzの場合,巻き数は,密巻きなら18ターン程度でも良いでしょう。
同調コイルの巻数

C1~C9までの端子は,2ターン毎に作っておくと良いでしょう。
それらの端子は,巻線の途中を2cm程度サンドペーパーで被覆をはがし,その部分をよじってハンダメッキし,ワニグチクリップで挟めるようにコイルから飛び出しておきます。
飛び出し部分は隣の端子と接触しないように,端子の位置をずらせます。

バリコン側は,片側にワニグチクリップが付いたコードをバリコンのステーター端子C0にハンダ付けします。
このワニグチクリップをC9に接続すると低い周波数まで同調できます。
C2に接続すると高い周波数まで同調できます。
受信機への端子RからC1~C3への接続も同様にコイル側はワニグチクリップで接続します。
バリコンはエアーバリコンがベターです。中古の場合は絶縁部の汚れを清掃しステーター側とローター側の板の間のゴミを強力なエアーで吹き飛ばしましょう。受信専用なのでポリバリコンでも代用できますがエアーバリコンより若干性能(Q)が下がります。
       タイト絶縁エアーバリコンの市場価格例は ⇒ こちら  

アンテナコイルは,同調コイルと同じ巻枠に0.5~1cmほど離して10回程度巻きます。A2~A5端子は,同調コイルと同様に2ターン毎に作ります。
アンテナフィーダーからアンテナコイルへの接続は図のようにアンテナインピーダンスに合わせてA2~A5端子を選択してワニグチクリップで接続します。

ワニグチクリップで選択接続するとしたのは,ロータリスイッチが高価なこと,受信用なので高周波電流が小さくワニグチで十分なためです。
近傍のパソコンなどからの雑音の侵入を防ぐため,アンテナチューナ全体を金属箱に入れてシールドします。

蛇足ですが,
受信品質は信号対雑音比(S/N比)で決まります。
自分のアンテナへ到来する電波が強くても,雑音が大きくては了解度が下がります。逆に目的の電波が弱くても雑音が小さければ了解度が上がります。
雑音の多くは,近傍の市街地雑音です。また,自宅や近隣のテレビやパソコン,電源アダプターなどからも強い雑音が発射されています。
これらの雑音は垂直偏波の成分が多いので,影響を少なくするには平衡型の水平アンテナを使用するのが基本です(効果が大きい)。
平衡型とは,アンテナの左右のエレメントが地上から同じ高さにあり,左右のエレメント長が同じ(大地からの静電容量が左右とも同じ)状態のアンテナです。半波長水平ダイポールアンテナやAWXアンテナ,水平設置の八木アンテナなどです。
平衡型アンテナからは平衡フィーダで引き込むのがベターですが,平行フィーダーの市販品が無いので,アンテナと同軸の接続部へ平衡/不平衡変換器(バラン)を使用し同軸フィーダーで引き込みます。

一方,不平衡型アンテナとは,ロングワイヤーや垂直アンテナのように片側にアンテナ線を接続し,片側を大地に接続したアンテナです。不平衡アンテナから受信機までのフィーダー(配線)でも雑音をひろうので,アンテナ直下にアンテナチューナを設置し,チュナーから受信機までの配線を同軸ケーブル,もしくは平衡フィーダーにします。
アンテナ線を室内に引きまわして代用するのは蛍光灯雑音なども拾うので好ましくありません。


【あとがき】
くどいですが,
遠方からの微弱電波を良好に受信できるかは,ノイズと信号の差が十分か否かで決まります。アンテナチューナの有無によって改善されたかどうかを体感できないかもしれません(高級な受信機ではほとんど体感できないでしょう)。
微弱電波を良好に受信するには,市街地ノイズの影響を受けにくい水平系のアンテナの使用が第一です。
アルミパイプを垂直に建てた形の垂直系アンテナは市街地ノイズを拾うので好ましくありません。


以上,参考です。

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  1. 2014/05/15(木) 12:41:37|
  2. アンテナと整合
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

アンテナチューナー案 ありがとうございます

とても丁寧にご教示いただきありがとうございます。
ヨットに関連する記事も、楽しく読ませていただきました。
私、山口県の瀬戸内側の出身で、高校にはヨット部がありました。大洋に比べれば、池みたいなものですが、体育の授業で遠泳があったり、歩いて魚釣りに行けたりととても良い環境でした。
電波の受信環境も結構良かったと思います。
貴HPを拝見して以来、「コイルが命」とばかりに、ラップの芯などに目がいくようになりました。
先月、勤務先の引っ越しがあり、梱包材(プチプチ)の芯が出てきました。肉厚のある紙製で強度は充分ですが、直径が15cmもあったので持って帰るのを諦めました。
家内によると今あるラップを使い切るのは数ヶ月先になるというので、空芯コイルを巻く際の芯として、端材の26Φ塩ビパイプにプラモデル用の5mm角のポリスチレンをゴム系ボンドで8本接着したものを作ってみました。
海苔巻きを作る際の「簀巻き」の逆と言ったイメージでしょうか?
細い線でコイルを巻く際にはプラスチックの丸棒を4本くらい入れて、エポキシ系の接着剤で固定すれば
タップを出すにも好都合ではないかと考えました。
今週末にコイルを巻いてみる予定です。
それにしても、ラップなど軟質ビニルはエポキシ系などの接着剤では「くっつかない」事を逆に利用していらっしゃる点にも感心しております。
  1. 2014/06/03(火) 00:24:23 |
  2. URL |
  3. Turky #dWGpbRTI
  4. [ 編集 ]

Re: アンテナチューナー案 ありがとうございます

コメントありがとうございます。
コイルの話ですが,巻数等はフリーソフト「GDRS」を利用させてもらうと便利ですよ。
ネット検索へ「ゲルマラジオ設計 GRDS」と入れて検索すると見つかります。

短波のコイルではないですが,面白いコイルの巻き方があります。
私のブログの目次の後尾の【その他】の中の「夏休みの工作_ゲルマニュームラジオの製作」を見てください。
この巻き方は,エナメル線(ホルマル線)より昔の綿巻線の時代に考えられた方法の一つです。
隣り合う巻線が接触する部分が少ないので,相互の絶縁低下が防げる巻き方です。
短波コイルはスペース巻きができるので,絶縁低下を考えなくても良いですが,タップを出すには便利な巻き方です。
中波コイルの巻き方としては優れた巻き方であるな~と長く記憶に残っていました。


  1. 2014/06/04(水) 17:05:45 |
  2. URL |
  3. take103kota2 #-
  4. [ 編集 ]

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