皆空の中で...

真空管式 144MHz SSB トランスバータ

双ビーム管 829Bで自作した 144MHz SSB トランスバータ
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物置の奥から144MHzSSBトランスバータが出てきました。メーカー製の144MHzSSB機が商品化されていない頃,VHF用真空管829B(2B29)を使用して自作したものです。
下の写真の左側の穴あきケースの部分は業務用FM送信機のジャンクを利用しました。当時の官公庁用150MHz帯FM無線機の終段増幅部のようでした。茶色の部分は両面基盤で自作したエキサイタ部とクリコン部です。11ピンのソケットは親トランシーバからヒータ電圧,B電圧650vなどの供給用です。
             (写真はクリックで拡大します)
1_全体1

次は裏面の写真です。中央のシールド板から上側が送信部,下側が受信部です。送信部も受信部も真空管ソケットの中央を境としてシールド板を設置しました。シールド板は両面基盤です。広い両面基盤を取付けるために鉄のシャーシをグルリと切り取るのが大変だった事を思い出しました。
             (写真はクリックで拡大します)
2_裏面全体2

回路は次のような構成です。 回路構成図は上の写真とは左右を逆に書いています。

     ブロック図3

次は右半分の拡大写真です。小型の真空管は6HA5です。斜め二連の丸穴は小型バリコンを回転させるための穴です。右上のツマミは水晶発信子の切替スイッチです。真空管の横のRCAピンは28MHz信号の入力と出力です。
        (写真はクリックで拡大します)
3_上面右半分2

次は上の部分をひっくり返した写真です。鉄のシャーシを金鋸で切り取ったあとがひどいですね。両面基盤によるシールド板はハンダで固定できるので工作が楽でした。 見ずらいですが中央左のコイルの下の白いタイト板の上にミニバリコンが2つあります。このミニバリコンで送信部も受信部も副同調回路にしました。ミニバリコンが変色していますが当時は白でした。右端のロータリースイッチに水晶発振器が3個ありますが,144MHzのSSB運用は144.1付近だったので,運用上は1個で十分でした。
        (写真はクリックで拡大します)
4_コンバータ部裏面2

次は電力増幅部の写真です。真空管は双ビーム管の829Bです。ジャンクで入手した時は10W出力の双ビーム管2B32(832A)でした。832Aは割れてはいませんでしたが,真空管の頭に出ているプレートのピンが折れていました(ページ末の写真)。プレート出力ピンから出力コイルへの板配線も切れていました。
        (写真はクリックで拡大します)
   5_829B電力増幅部2

次は双ビーム管829Bの裏面です(上の写真とは左右が逆です)。829B(2B29)や832A(2B32)のタイトソケットは高価なので,ジャンク品が利用できた分だけでも助かりました。
        (写真はクリックで拡大します)
   6_829B裏側2

次は双ビーム管829Bの拡大写真です。真空管のガラスに829Bとの印字が見えます(USA製)。左下の2B32の文字が本来の真空管を示しています。真空管の頭のプレート端子から出力コイルへの銀メッキ板が両方とも切られていました。銀メッキ板は背丈の低い832A用の長さだったので,切られた部分を重ねてハンダしたら背丈の高い829Bにピッタリでした。右の端子の下に見えるのは出力タンク回路のバタフライバリコンです。
        (写真はクリックで拡大します)
   7_829B拡大2

次は出力コイルの写真です。双ビーム管をプシュプルで使用するので2つのコイルを接続し中心からプレート電圧を供給します。2つのコイルの間にリンクコイルを配置し,出力を取り出します。リンクコイルには直列にバリコン(C153)を入れ,更にL115でコイルを上下に動かしてリンクコイルの結合度の調整ができました。
        (写真はクリックで拡大します)
   8_タンクコイル2

次は出力タンク回路のバタフライバリコンと同軸リレーです。もともと出力管832Aによる10W~15W出力の送信部なので写真のバリコンで十分ですが,高出力の829Bではもう少し高耐圧のバタフライバリコンを使用するべきだったかなと反省します(運用上,写真のバリコンで何の支障もありませんでした)。
9_バタフライバリコン3 10_同軸切替機3

次はジャンクで入手した時に装着されていた送信管832Aです。プレート出力ピンの片側が折れていました。プレート配線も2つとも切断されていたので,わざわざ壊してジャンク屋へ払下げしたのかも知れません。
写真では大きく見えますが829Bに比べると背丈の低い真空管です(プレート板が小さい)。漫画に出てくる「火星人」のような感じです。
     11_832A1.jpg

次は左から「12BY7A」,「6EJ7」,「6HA5」です。写真では「6HA5」が大きく見えますが実物は6EJ7よりも背の低い真空管です。
     12BY7A.jpg 14_6EJ7.jpg 13_6HA5.jpg

このトランスバータは親機としてFTDX400を使用しました。2mバンド(144MHz)SSB局が少ない時代でしたが楽しくオンエアできました。
最初は双ビーム管 2B94 を使用しましたが,電電公社のマイクロ中継所間の連絡用通信回線に長時間使用された中古品だったためかグリッド電流が増え,プレート電流が増大するトラブルで悩まされました。未使用品の829Bへ変更したらグリッド電流は増加しなくなり,SSB信号をAB級電力増幅器として安定して動作するようになりました。
このトランスバータを動かすにはヒーター電圧とB電圧600~700vを供給できるトランシーバが必要です。一緒に物置で眠っているTS820の整備が済むまで再び物置の奥で休ませることにしました。

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  1. 2013/10/15(火) 12:50:50|
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