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ノートPCの電源アダプターで車のバッテリーを充電

ノートパソコンの電源アダプターで車のバッテリーを充電
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   ノートPCの電源アダプターを活用して車やバイクのバッテリーを充電

車の使用が休日のみで,しかも運転距離が少ない場合は車のバッテリーの電力が少なくなります。このような車の乗り方が続く時は定期的にバッテリーの補助充電が必要です。
今回,旧型ノートPCで使用してた電源アダプターを活用して自動車バッテリーの充電器を作成してみました。
次の写真はノートパソコン用の電源アダプターです。
       1_ノートPC電源アダプタ
バッテリー充電器として利用できるものは出力電圧が15Vのものです。写真を拡大すると「OUTPUT 15V---3.33A」とあります。出力電流は3A以上のものが良いでしょう。5Aのものなら安心です。
                  【銘板の拡大写真です】
           1_出力電圧と電流
電源アダプターの出力電圧15Vで充電したまま長時間放置をするとバッテリーが過充電(オーバー充電)となる場合があるので15Vから14.3Vへ下げます。(自動車の運転時,バッテリーは自動車の発電機の電圧14~14.3Vで充電されています。この電圧であれば連続運転が続いてもバッテリーは過充電となりません。)

出力15Vを14.3Vへ下げる最も簡単な方法は,シリコン整流器(Silicon Rectifiers)を直列に接続する方法です。シリコン整流器は電流に関係なく,順方向電圧が0.6~0.7V低下します。
具体的には次の図のようにシリコン整流器を挿入します。
       プラス側整流器で0.7V下げる回路
   参考:1.4V下げる時は,シリコン整流器を2個使用します(下図)。
       1.4V下げる回路
今回は0.7V下げて14.3Vとしますが,プラス側へシリコン整流器を挿入せず,マイナス側へ挿入します。(電気的にはどちらも同じです。整流器の放熱板が車の金属部へ接触しやすいので安全を考えてマイナス側へ挿入しました。)
       マイナス側整流器挿入で0.7V下げる回路
電源アダプターのPC側プラグを切り落として,中心線(プラス側)に赤色コードを,外側線(マイナス側)に白コードを接続します。マイナス側のワニグチクリップに近い部分にシリコン整流器を接続します。ワニ口クリップはもう少し大きな物を使用しましょう。
   5_プラグを切って
下の写真は電源アダプタの出力線とコードの接続の方法です。アダプタ出力線の中心線がプラスです。プラス線と赤コードを半田で接続し,アダプター線の被服をかぶせます。マイナス線は写真のように3cm以上離した位置で半田接続します。【ポイント:電線を接続する場合はプラス線とマイナス線の接続部を3cm以上ずらして接続すると,接続部での短絡トラブルが大幅に減少します。】
   6_電線の接続

下はシリコン整流器の拡大写真です。今回は古いプリント基板から取外した整流器(品名FE8D:Max8A)を使用しましたが,電流容量が10A程度のものであれば何でもOKです。放熱板も古いプリント基板から取外したものを使用しましたが,アルミの板でもOKです。
        7_IMG_1859.jpg
下は車のバッテリ-へ接続した写真です。使用時は電圧計と電流計は不要ですが,初回だけ,電圧と電流を計ってみました。中央上は電圧計,左下は電流計です。マイナス端子のワニ口クリップの近くにシリコン整流器が見えます。(ワニ口クリップはもう少し大きな物を使用しましょう)
   8_車のバッテリへ接続
下は電流計と電圧計を接写した写真です。充電スタート時には電流が4Aを超えていました。これでは電源アダプターの最大定格3.33Aを超過しているので,大丈夫かな~と心配しましたが,30秒程度で電流が3A未満まで下がりました。下の写真は充電を開始して10分経過した時の値です。電圧14.4V,電流1.1Aです。
9_充電電流 10_充電中のバッテリ電圧

充電電流は電流計で把握するのですが,シリコン整流器の放熱板に触って温度が高いか否かでも知ることができます(平常時,私は電流計を使用せず放熱板に触って温度で把握します)。

整流器で熱となる電力P[W]は P=シリコン整流器に加わる電圧×電流です。電流が1.5Aなら 0.7V×1.5A=1.05[w]です。電流が1.5A程度なら上の写真の放熱板のサイズでは熱くて1秒も触れない程ではないでしょう(熱いな~と感じるとは思います)。
シリコン整流器は最大温度が150度ですが,使用時は80度以下となるように放熱板を使用しましょう(5秒も触れない時は50度以上でしょう)。上の写真の放熱板では少し熱すぎるので,アルミサッシの残り板を使用してみました。
   10_放熱板を大きくした
この状態で5時間程度放置すれば,5AH(アンペアアワー)がバッテリへ充電されたことになります。充電時間は充電開始前のバッテリーの蓄電量がどの程度かで決まります。例えば,規格28AHのバッテリーがほとんど放電状態の時,計算上では充電電流2.8Aで10時間充電すると100%充電状態となります。
充電が100%状態に達したかは電解液の比重を計って調べますが,バッテリーへ耳を近づけて泡が多く出ている状態になったか否かで知る方法もあります。

PC電源アダプターと整流器の充電器は,バッテリーの電圧が14.3Vへ上昇したら充電電流がゼロになる定電圧充電方式なので,充電時間を気にせず1日放置していても大丈夫です(車で長時間走行している状態と同じ)。

今回は,補充充電なので,5分後には充電電流が1~1.5A程度へ下がりましたが,車のスターターが回らないレベルまでバッテリーが減っている場合は充電開始から10分経過しても電流が下がらない場合があります。PC電源アダプターの出力電流規格を越えた電流を流すと電源アダプターが故障します。シリコン整流器も非常に熱くなります。

この対策として,電流を制限する「抵抗器」を挿入すると良いでしょう。抵抗器の値は0.2Ω程度です。0.2Ωを挿入すると,1Aで0.2V,3Aなら0.6V低下します。これによりバッテリーへ流れ込む充電電流が小さくなります。下の写真はジャンク基盤から取外した0.5Ωの抵抗を並列にして0.25Ωを挿入しました。
        11_抵抗を入れた回路
   20_抵抗を追加
実際の使用時には次の写真のように電圧計と電流計は接続しません。放熱板の熱さで充電電流を把握します。写真の放熱板のサイズで3~5秒間手で触れるなら充電電流は2A以下でしょう。1秒間も触れないなら3A以上の電流でしょう。
充電が進み放熱板が熱くない状態になったら充電電流はゼロに近くなっています。即ち,充電終了です。充電を開始後に放熱板が少しも熱くならない時はPC電源アダプターから電流が流れていない可能性があります(電源アダプタ不良か断線)。
充電電流を具体的に把握する方法:抵抗の両端の電圧をテスターで計り,0.5Vならオームの法則より0.5V÷0.25Ω=2Aとなります。測定電圧を抵抗値0.25で割れば電流値となります。0.6Vなら2.4Aですね。
   24_通常の充電写真

簡易充電器の全体写真です。
   25_全体の写真

ノートPCの電源アダプターとして同じものが2個入手できたら,出力を並列にすると,大きなバッテリーの充電もできるでしょう(整流器を各々へ挿入してから並列にします)。
あるいは,抵抗器を0.5Ωにすれば,初期の充電電流を少なく出来るので,大きなバッテリーでも充電できるでしょう(充電完了までの時間はかかります)。

【注意事項】
この充電器の出力を短絡させると電源アダプターの内部で故障が発生します。これを防ぐためには,バッテリ側へワニ口を接続してからACコンセントを差し込みます。取外す時はACコンセントを抜いてからバッテリ側のワニ口をはずします。

【参考】
この充電器が正常かどうかは車のルームランプを取外して接続し,明るく点灯すればOKです。
ルームランプ(室内灯)は12V8W or 10Wです。8Wのものは電流が0.7A,10Wのものは0.8Aです。
ルームランプを点灯させた時の放熱板の熱さを体感しておけば,充電中の放熱板の熱さがそれより熱いかどうかで大雑把に充電電流を把握できるでしょう。
ウインカーランプ(方向指示灯)は12V21W,電流は1.8Aです。ポジション(車幅灯)は12V5W,電流は0.4Aです。)


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  1. 2013/08/16(金) 13:05:48|
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