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24.はしごフィーダー用アンテナ整合器(カップラー Antenna coupler)

24.はしごフィーダー用アンテナ整合器(カップラー:Antenna coupler for balanced feeder)
     (ハシゴフィーダー・平行フィーダー用のアンテナチューナー)
    Antenna tuner,Antenna Coupler,Antenna matching box,Antenna matching unit for balanced feeder
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........12.アンテナチューナー(カップラー)のコイルとバリコン
........13.アンテナチューナー(カップラー)の自作-1
........14.T型 Antenna Tuner(カップラー)の自作-2
........15.CLC_T-type 14~50MHz Antenna Tuner/copler
........16.LCL_T-typeアンテナチューナー
........17.東京ハイパワー HC-500 アンテナカップラーAntenna Tuner/copler
........18.トランスマッチ方式のアンテナチューナー回路例
........19.T型アンテナチューナ回路例 T-type Antenna tuner circuit diagram
........20.πC(パイC)型アンテナチューナー回路例 πC-type Antenna tuner circuit diagram.
........21.DAIWAアンテナチューナーCNW-818回路図 CNW-818 Antenna tuner circuit diagram.
........22.YAESU FC-901アンテナチューナー YAESU FC-901 Antenna tuner
........23.エアーダックスコイル自作と7MHzアンテナチューナー自作

アンテナとのインピダンス整合に用いる機器の名前を,戦前は「空中線整合器」,その後「アンテナ結合器」,「アンテナカップラー:antenna coupler」と言いました。
海外では「トランス・マッチ」,「マッチング・ボックス」,「アンテナ・マッチング・ユニット」の名称が使われました。
現代ではアンテナチューナー(Antenna tuner)と言われています(名称は変わっても同じ機能の機器です)。

現在,アンテナ給電は同軸ケーブル方式がほとんどなので,市販のアンテナチューナーの多くは不平衡型用となっています。
同軸ケーブルが高価だった時代,アマチュア局でははしごフィーダー(平衡フィーダー)が多く使用されました。
その頃のアマチュアハンドブックやCQ誌には平行フィーダーと結合するためのアンテナ整合器の回路が掲載されていました。

次の資料は昭和28年版 ラジオ・アマチュア・ハンドブック The radio amateur's handbook 1954 /JARLに掲載されていた平衡フィーダー用の「アンテナ整合器(Antenna Coupler for balanced feeder)」です。
  1_28年アマハンより


次は1964年版のARRLの Radio amateur's handbook に掲載さていた平衡フィーダーに接続できるアンテナカップラーの回路です。( Antenna Coupler for balanced feeder )
       Circuit diagram of the antenna coupler and Monimatch.
  1_ARRLアマハン回路図

バリコンC2とC4は連動して回転します。容量も同期して増減します。
C2とC4は分離した状態で使用するので,バリコンのローターシャフトの連接部はタイトの絶縁カップリングを使用します。
C3は二つのバリコンのローター側が電気的に接続され,かつ,連動して動くようにシャフトを非絶縁のカップリングで連接します。
C3は二つのバリコンのローターシャフトがアース電位となります。C3は二つのバリコンの容量が同期して増減します(差動バリコンではありません)。
次が完成写真です。C2とC4のシャフトの連結部へタイトの絶縁カップリングが使用されています。
  2_ARRLアマハンカップラー写真

アンテナチューナ(antenna coupler)に次の写真のタイプのバリコンを使用したものがあります。
これは2つのバリコンをシャフト連接して使用する状態と同じです。
内部の形を見て,二つのバリコンの容量が差動的に動くのではと誤解しそうですが,写真のバリコンは内部の二つの容量は同期して増減します=差動バリコンではありません。
(差動バリコンとは片側の容量が増える方向へ回転した時,他の側の容量が減少する構造のもの)
上のARRLのアマハンの写真のように,平行型アンテナチューナ(antenna coupler)では容量連動型のバリコンを使用します。
        3_バリコン
単独バリコンを2つ連接する方法と,上の写真のように1つのシャフトで2つのローター羽を動かす構造のものを比較した場合,後者はローターシャフトの摺動バネ接触部の劣化を心配しなくて済みますが,量産されないため,コスト的には割高になります。

次は1972年頃のCQ誌へ掲載されていた平行フィーダー用「万能型トランス。マッチ(アンテナ整合器=antenna coupler)」の回路です。
周波数切替は「ワニ口クリップ」でコイルを短絡させて行います。
ハシゴフィーダ側の整合もコイルへワニ口クリップを接続する方法で行います。
いかにもアマチュア的ですが,高周波耐圧が低く,かつ,接点容量の小さいロータリースイッチを使用して配線をするよりワニ口クリップ方法が安定して使用できるかもですね。
  1_万能型トランスマッチ回路図

下の左は上の回路のコイルです。右は完成した万能型トランスマッチです。
  2_トランスマッチコイルの切り方 3_トランスマッチ試作写真FG

下図に「バリコンを連動させる方が望ましい」とあります。
平衡フィーダ-へ給電する場合はC1,C2を連動させ,容量が等しくなるような状態で同調させる必要がありますが,それを左右の手で連動させていたのでしょうか…昔のOMは手先の動かし方まですごいですね~。

  5_トランスマッチのいろいろな使い方

次の図は,リンクコイルの結合を物理的に変化させる手法です。
一度やってみたい構造ですが,機械的に動かせる構造を作るに手間がかかりそうです(この記事では採用していません)。
   6_トランスマッチスイングコイル

下図は 上の回路のモニ マッチ部です。( Circuit diagram of Monimatch ).原理的には,ブリッジ回路です。
抵抗1Ωが直列に入っているので,損失が気になるかもしれませんが,その損失は100w送信時,2w(2%)です。
気になる場合は,マッチング終了後,1Ωをスイッチで短絡すれば良いでしょう。
   7_モニマッチ回路図

次は,1973年のCQ誌に掲載されていたハシゴフィーダー用のマッチング・ボックスです。
バリコンが430pFの二連バリコン(受信用?)と思われるので,送信出力10w程度用と思われます。
  平行フィーダー用マッチングボックス

次も1973年のCQ誌に掲載されていたG5RVアンテナとマッチングボックスです。
          G5RV antenna & matching box.
G5RVとマッチング

最後に,1970年 ARRL QST に発表されている ウルチメイト トランスマッチ "The Ultimate Transmatch" の回路図です。
この図の下部へ平衡フィーダーへの接続方法が記載されています。
バラン(Bulun)を使用して不平衡から平衡へ変換し,はしごフィーダへ接続します。
この方法は現在のアンテナチューナーでも使用されます。具体的に,MFJ社のアンテナチューナー「MFJ989C」などには平衡フィーダ-へも接続できるようにバランを内蔵しています。バランは自作しても簡単です。
     QSTトランスマッチ
QSTの記事はこちら →  "The Ultimate Transmatch" ARRL QST Jul 1970.Detailed explanation clicks here.

【参考:ハシゴフィーダーの損失】
下図は,ARRLの「The Radio Amateur's Handbook」1964版に掲載されていた同軸ケーブルとハシゴフィーダーの損失グラフです。
はしごフィーダーの損失は同軸ケーブルの10分の1です。
下図右は,SWRが発生時の追加損失分のグラフです。
はしごフィーダーはSWR=8程度で使用されるケースが多いですが,下図左のようにハシゴフィーダーの損失は14MHz帯で100フィート長でも損失は0.07db程度なので,SWR=8による追加損失増加分を加えてもも100フィートで0.3db以下でしょう(下図右の図の左側の外側になります)。
  ARRLハンドブックフィーダーロス ARRLハンドブック_フィーダー追加ロス

下はARRLの"The Radio Amateur's Handbook" 41ST EDITION 1964 の表紙です。
   ARRLハンドブック


はしごフィーダーのSWRと実損失(試算) → 5.定在波(SWR)とアンテナ電力(試算)

はしごフィーダーのお話は → 9.同調ケーブルと非同調ケーブル

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  1. 2013/02/23(土) 19:29:18|
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