皆空の中で...
730V用バラン 経年劣化による故障と修理
クリエート 730V用バラン 経年劣化による故障と修理
バラン内部の接触不良,導通不良によるSWRの悪化,バラン トラブルと修理
CREATE 730V Balun Transformers Trouble and repairing
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クリエート・デザインのアンテナ 730Vで,30分ほど送信するとSWR値が急に高くなる症状が発生しました。
休ませると正常にもどり,送信を再開すると30分程度で再び発生します。
アンテナを同じ方向へ回転させた時に症状が発生しました。
これらからバランへ接続している同軸コネクタ-で同軸ケーブル心線・網線の半田不良ではと考え,
同軸コネクタの半田付けのやり直しをしましたが,数日後に再び症状が発生しました。
バランの内部に原因があるのではと,バランを取外して調べることにしました。
左の写真は730V用のバラン CB-5M/2K です。
CREATE 730V BALUN Transformers CB-5M/2K
左がバラン CB-5M/2K の内部です。
中央の縦巻コイルが平衡・不平衡変換の
バランコイルです。
上部の横巻コイルは短縮コイルによる
インピーダンス低下分を補正する
マッチングコイルと考えられます。
CB3F/2Kとは若干違いますね。
CB3F/2Kには横巻コイルが無いようです。
長年使用している割にはコイル部は
きれいですが,下の部分は汚れがあります。
下部の汚れは,水抜き穴からの吹込みなど
があったのでしょう。
次は下部の拡大写真です。
拡大写真を見て,コイルの
マイナス側と下部外側の
M型レセプタクル金属板を
ビスとナットの圧力で接続
しているが,この箇所に
おいて接触抵抗増加が
生じているかもと考えました。
ナットの締まりが弱くなって
いました。
次は,バランコイル(-線)とM型レセプタクル(同軸コネクタ-メス側)の状態を絵にしたものです。
ビスとナットでバランコイルからの圧着端子はM型レセプタクル金具へ締め付けられていますが,
樹脂板は経年で「痩せる=厚みが微減」
することがあります。
樹脂板が痩せて厚みが減少すると,ビスとワッシャとナットで締めつけていた圧力が減少し、
コイル側の圧着端子とM型レセプタクル金具の接触部で接触抵抗が増加します。
接触抵抗が増加すると熱が発生し,熱によって樹脂の厚みが変形し,更に締付け力が弱まります。
圧着端子,M型レセプタクル,ビス,ナット,ワッシャの接触面の汚れを清掃し,
締め直しをすることで,導通不安定は解消できましたが,樹脂板の「痩せ」は
再び起きるので,M型レセプタクル金具へ銅線を半田付けします。
下はM型レセプタクル金具からコイル側への追加銅線を半田付けした状態です。
M型レセプタクル側の半田付けは取外して行うのが安心です。
取外さないで半田付けを行う場合は,樹脂が熱で変形しないように気をつける必要があります。
今回、レセプタクル金具から半田で直接接続したため,経年や振動でナットとビスの
ゆるみが生じても導通不良となる心配はありません。
【昔話】
50年ほど前,通信機械室に取付けられている大電流の電力線を接続する中継端子板
のベークライトが炭化したことがありました。
その端子板は左右の取り付け金具の間にベークライト板を渡して,絶縁された部分に
中継端子を締めるボルトを通し,電力線端子をワッシャとナットで締付け接続していました。
ベークライト板に締付け力が加わる状態でしたが数年は特段の問題なく安てしていました。
経年を経ているうちに,ベークライト板の「痩せ=厚さの減少」で電流端子の締力が
ゆるくなり,接触抵抗値の増加による発熱でベークライトの炭化が発生したようで,
最終的に,炭化によって大きな漏電電流が流れて火災に至った事がありました。
樹脂板に締付け力が加わる形で電気端子を締めるのは誤った工法と昔からわかっていた
のですが,若い世代へ伝わっていないのかもと感じました。
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2018/04/22(日) 12:18:28
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