デリカ プラグイン コンバーター (DELICA HAM BAND CONVERTER) 総目次へもどるは⇒ ⇒ こちら ---アマチュア無線機器の目次---
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・TS690から音が出ない故障と修理 ⇒ こちら 「三田無線研究所(DELICA)」は技術が高く,しっかりした物づくりをする無線機メーカでした。アマチュア無線用受信機として,デリカのCS-7等は憧れのまとでした。そのデリカの優れものの1つ「デリカ プラグイン コンバーター(DELICA HAM BAND CONVERTER)」を今も大切に保管しています。
次の写真が全体です。本体の前にあるのがプラグイン式のバンドコイルユニットです。同ユニットは,遮蔽した3つのスペースにHAMバンドに合わせた3つのコイルが入っています。このコイルユニットをHAMバントごとに本体へ差し込む方式です。各ハムバンドを1.5MHzへ変換して出力します。1.5MHzは中波帯の受信機(ラジオ)の周波数なので,普通の中波ラジオで3.5から50MHzまで受信することができました。同ユニットは必要な周波数のものを購入する仕組みでした(プラグイン方式はHRO受信機で使用していた機構です)。
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本体を前面から見るとハムバンドのメモリが読めます。左のツマミの中が白くなっているのは光の反射です。写真は7MHzコイルユニットを差し込んだ状態です。
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次の写真の左はコイルユニットを抜いたところです。プラグインコイルユニットのバナナプラグが刺さる仕組みになっています。右は,後ろからの写真です。
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次はプラグインコイルユニットです。ふくらみのあるバナナプラグでしっかりと接触させる仕組みです。
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次は写真はコイルユニットの内部です。コイルはシールドされ,かつ,互いに直交する角度に配置されいます。
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次の写真の左はシャーシの上面です。ほこりが溜まっていました。右はシャーシ内部です。しっかりと半田付けがされています(キットでなくメーカで完成させた製品です)。
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下図は回路図です(DELICA HAM BAND CONVERTER Circuit diagram)。図の中の水色で囲んだ部分がプラグインコイルユニットの中のコイルです。(図はクリックで拡大します)

次は発売当時の雑誌に掲載された「デリカ ハム専用コンバーター」のセット案内 記事です。三田研究所・所長の 茨木 悟 氏によるものです。OSC部からMIX回路へのカップリングコンデンサーが回路図にありません。その辺についての解説が記載されています。
(次をクリックし,表示された画面を,もう一度クリックすると拡大します。以下のページも同じです)




上記の「デリカ プラグイン コンバーター(DELICA HAM BAND CONVERTER)」は,周波数安定度などはPLL技術などの発展により遅れをとってしまいましたが,コンバータの上に人が腰を下ろしてもつぶれない堅牢性を保っています。
三田研究所・所長 茨木 悟 氏について
明治33年2月 愛媛県に生まれ。渡米しシカゴ大学で研究。
大正12年帰国。茨木悟研究所を設立し,大正15年三田研究所をつくり所長に就任。
業務用の高周波計測器メーカのかたわら,優れた受信機・計測器をアマチュア用として提供。戦後のアマチュア無線機を代表するCS-7とCS-6,デリカのデップメーターなど,性能のみでなく,機械的緻密さ,堅牢さでも優れた製品を世に出した。DELICAの社名は「機械的緻密さ・・・機械生産ではできない仕上げをする」との物づくりメーカの生き方を表しているとのこと。(電波科学33年7月号「三田無線研究所を訪ねて」より)
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- 2012/01/30(月) 15:41:16|
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